幼い頃、幼稚園から小学校4年生くらいまで、絵を習っていた。
画用紙に向かって絵の具を混ぜ合わせたり、自分なりの世界を描いたりする時間が、たまらなく好きだった。学校の美術の時間もずっと好きだった。
けれど、高校に入ると美術の時間がなくなり、私の日常から「自分で絵を描く」という行為はすーっと遠ざかっていった。
それからの日々は、もっぱら「見る側」だった。
時々美術館へ足を運んでは、誰かの描いた素晴らしい作品の前に立ち、その美しさに心を震わせる。それだけで十分に満たされていた。
写真と仲間たち、そして心に秘めていた老後の楽しみ
実は、写真教室に通っていた時期がある。
写真も好きだったし、そもそもアート全般が好きなんだと思う。
教室には気の置けない仲間ができて、気がつけば通算7年くらい通っていた。一人で向き合うのとは違う、仲間がいるからこその熱量。あの頃の日々は、私の世界をとても豊かにしてくれた。
写真も大好き。でも、心のどこかでこんなふうに思っていた。
「写真はたっぷり楽しんでから、晩年には、ゆっくり絵を描いて暮らすんだ」
老後の楽しみに、絵をそっと取っておくつもりだった。
コロナ禍と、人生の転換点
ところが、世界は一変した。コロナ禍でどこにも行けなくなり、カメラを持って外へ出かけることが難しくなった。
その閉塞感の中で、「晩年にやろうと思っていた絵に、今注力してみよう」と思い立った。
家の中でできる表現を求めて、ワークショップに少し足を運んでみたりもした。
――でも、人生は一筋縄ではいかない。
家の中でいろいろなことがあり、バタバタと忙殺されるうちに、また絵から心が遠のいていってしまった。
人生の後半は、もっと楽しく
いろいろな出来事を経て、最近、自分の考えが大きく変わってきた。
これまでの人生、あれこれ先延ばしにしたり、色々なことに気を遣ったりしてきたけれど……。
やっぱり、自分の人生だもの。もっと楽しく過ごしたほうがいい。
先のことばかり考えず、今、自分が「やりたい」と思うことに素直になりたい。
不格好でも、下手くそでもいい。
50代の今、もう一度筆をとって、自分のために楽しく絵を描いてみようと思う。
このブログでは、50代から再び絵を描きはじめた私が、日々のなかで感じたことや、小さな挑戦をそのままの言葉で綴っていこうと思う。
うまく描けないもどかしさも、思いがけずいい色が塗れて嬉しかった瞬間も。
美術館で受けた刺激や、旅先で心動かされた景色も。
完璧じゃなくていい。未完成なままでも、自分が「好きだ」と思える彩りを、少しずつノートに重ねていきたい。
初心者マークをつけた私の、不格好で愛おしい絵描きの第一歩。
どうぞ、よろしくお願いいたします。